【ポケモン】最初の街の名前のあれこれ
『ポケモンの街で一番有名な街といえば…?』
という質問を渋谷でしたら、おそらく90%以上の人が「マサラタウン」と答えるだろう。
カントー地方の最初の街、世界で一番有名な10歳の少年と電気ネズミの出身地である。
さて、マサラタウンはゲーム中で
「マサラは まっさら はじまりのいろ」
と紹介されている。なるほど最初の街にふさわしい、素晴らしいネーミングである。
カントー地方では、街にそれぞれ「色」が割り当てられており、マサラタウンの色は言わずもがな白である。では他の地方の最初の街はどうなのだろうか。
ホウエン地方の最初の街は「ミシロタウン」である。
ホウエン地方が街の名前自体に特に意味を持たないとはよく言われるが、ミシロタウンだけは明確に「白」というマサラタウンをなぞらえたかのような名前が付けられている。
ジョウト地方とシンオウ地方はそれぞれ「ワカバタウン」と「フタバタウン」である。
これらはゲーム最序盤のまだ見ぬ冒険へのワクワクを表すような、フレッシュさを前面に出したネーミングである。ジョウト地方はカントー地方同様、各街ごとに「色」が存在する。ワカバ(若葉)とはまさにうってつけではないだろうか。
ちなみにカロス地方の「アサメタウン」も同様に「朝芽・麻芽」と変換できることから、トレーナーの旅立ち(芽)を想起させよう。
さて、問題はイッシュ地方の最初の街である「カノコタウン」である。まず前提として、イッシュ地方の街は「模様」が由来となっている。(雷紋や青海波、唐草など)
カノコとは「鹿の子模様」のことであり、これは鹿の背にある斑点模様をモチーフにした絞り染めの技法である。自分は「鹿の子」だから幼いトレーナー3人の旅立ちを表していて、斑点はそれぞれに何かを抱えた彼らの点々とした状況を表している…そう考えていた。
先日、着物の模様の歴史について勉強する機会があった。
もちろん鹿の子や唐草など、イッシュの街の模様がたくさん出てきて興味深かったのだが、中でも一際目を引いたのは、鹿の子模様に関する記述であった。
「鹿の子模様は『絞り』の中でも日本最古のものであり、古くは奈良時代から行われていた。」
なんということか。鹿の子模様は、模様の歴史の中でも「最初」のものであったのだ。
つまりカノコタウンは「物語の最初」の街であり「模様の歴史が始まった絞りの名前」を冠している事になる。これに気づかされた時、思わず声が出てしまった。
【結論】
BWはいいぞ
リリィタウン?ハロンタウン?知らない子ですね…。